JavaScriptの組み込み関数には、オブジェクトのプロパティとして定義された関数や、グローバルオブジェクトのプロパティとして定義された関数など、多数の関数があります。以下に、代表的なJavaScriptの組み込み関数をカテゴリーごとに一覧で示します。
目次
グローバルオブジェクトの関数
- eval(string) : 文字列として表されたJavaScriptのコードを評価します。
- isFinite(number) : 引数が有限数かどうかを示すブール値を返します。
- isNaN(value) : 引数がNaN(Not a Number)かどうかを示すブール値を返します。
- parseFloat(string) : 文字列を解析して浮動小数点数に変換します。
- parseInt(string, radix) : 文字列を解析して整数に変換します。
- decodeURI(encodedURI) : URI(Uniform Resource Identifier)をデコードします。
- decodeURIComponent(encodedURIComponent) : URIのコンポーネントをデコードします。
- encodeURI(uri) : URIをエンコードします。
- encodeURIComponent(uriComponent) : URIのコンポーネントをエンコードします。
数学関数
- Math.abs(x) : 数値の絶対値を返します。
- Math.acos(x) : 数値の反余弦(アークコサイン)を返します。
- Math.asin(x) : 数値の反正弦(アークサイン)を返します。
- Math.atan(x) : 数値の反正接(アークタンジェント)を返します。
- Math.atan2(y, x) : y/xのアークタンジェントを返します。
- Math.ceil(x) : 数値の切り上げ値を返します。
- Math.cos(x) : 数値の余弦を返します。
- Math.exp(x) : 数値の自然対数を底とする指数関数を返します。
- Math.floor(x) : 数値の切り捨て値を返します。
- Math.log(x) : 数値の自然対数を返します。
- Math.max(x1, x2, …, xn) : 複数の数値のうち、最大値を返します。
- Math.min(x1, x2, …, xn) : 複数の数値のうち、最小値を返します。
- Math.pow(x, y) : xのy乗を返します。
- Math.random() : 0から1未満の範囲で擬似乱数を返します。
- Math.round(x) : 数値の四捨五入値を返します。
- Math.sin(x) : 数値の正弦を返します。
- Math.sqrt(x) : 引数として渡された数値の平方根を計算して返します。
- Math.tan(x) : 数値の正接を返します。
文字列関数
- charAt(index) : 文字列の指定された位置にある文字を返します。
- charCodeAt(index) : 文字列の指定された位置にある文字のUnicode値を返します。
- concat(str1, str2, …, strn) : 文字列を連結します。
- includes(searchString, position) : 文字列が指定された部分文字列を含むかどうかを示すブール値を返します。
- indexOf(searchValue, fromIndex) : 文字列内で最初に指定された値を検索し、その位置を返します。
- lastIndexOf(searchValue, fromIndex) : 文字列内で最後に指定された値を検索し、その位置を返します。
- localeCompare(compareString) : 指定された文字列と比較して、文字列がソートされる順序にあるかどうかを示す整数を返します。
- match(regexp) : 正規表現によるパターンマッチングにより、一致する部分文字列を含む配列を返します。
- replace(searchValue, replaceValue) : 正規表現、文字列、または関数による置換により、新しい文字列を返します。
- search(regexp) : 正規表現によるパターンマッチングにより、一致する部分文字列の最初の位置を返します。
- slice(beginIndex, endIndex) : 文字列の一部分を抽出して新しい文字列を返します。
- split(separator, limit) : 指定された区切り文字列に基づいて、文字列を分割して配列にします。
- substr(start, length) : 文字列の指定された位置から指定された長さまでの部分文字列を返します。
- substring(start, end) : 文字列の指定された位置から別の指定された位置までの部分文字列を返します。
- toLocaleLowerCase() : 文字列をロケールに基づいて小文字に変換します。
- toLocaleUpperCase() : 文字列をロケールに基づいて大文字に変換します。
- toLowerCase() : 文字列を小文字に変換します。
- toUpperCase() : 文字列を大文字に変換します。
- trim() : 文字列の両端から空白を削除します。
配列関数
- concat(arr1, arr2, …, arrn) : 配列を連結して新しい配列を返します。
- copyWithin(target, start, end) : 配列の一部分を、同じ配列内で指定された位置にコピーします。
- entries() : 配列の各要素のインデックスとその値を含む新しい配列のイテレータを返します。
- every(callback, thisArg) : 配列のすべての要素が指定された条件を満たすかどうかをテストします。
- fill(value, start, end) : 配列の指定された範囲を、静的な値で塗りつぶします。
- filter(callback, thisArg) : 配列内の要素で、指定されたテスト関数によって true が返されたものだけを含む新しい配列を作成します。
- find(callback, thisArg) : 配列内で最初に指定されたテスト関数によって true が返された要素を返します。
- findIndex(callback, thisArg) : 配列内で最初に指定されたテスト関数によって true が返された要素のインデックスを返します。
- forEach(callback, thisArg) : 配列内の各要素に対して、指定された関数を実行します。
- includes(searchElement, fromIndex) : 配列に指定された要素が含まれているかどうかを示すブール値を返します。
- indexOf(searchElement, fromIndex) : 配列内で最初に指定された値を検索し、その位置を返します。
- join(separator) : 配列内のすべての要素を連結して、1つの文字列にします。
- keys() : 配列の各インデックスのキーを持つ新しい Array Iterator オブジェクトを返します。
- lastIndexOf(searchElement, fromIndex) : 配列内で最後に指定された値を検索し、その位置を返します。
- map(callback, thisArg) : 配列内のすべての要素に指定された関数を適用し、その結果を新しい配列にします。
- pop() : 配列から最後の要素を削除し、その要素を返します。
- push(element1, element2, …, elementN) : 配列の末尾に1つ以上の要素を追加し、新しい配列の長さを返します。
- reduce(callback, initialValue) : 配列内のすべての要素に対して、指定されたコールバック関数を実行し、単一の値を返します。
- reduceRight(callback, initialValue) : 配列内のすべての要素に対して、指定されたコールバック関数を実行し、単一の値を返します(配列の最後の要素から開始)。
- reverse() : 配列内の要素を逆順にします。
- shift() : 配列から最初の要素を削除し、その要素を返します。
- slice(start,end) : 配列の指定された範囲を含む新しい配列を返します。
- some(callback, thisArg) : 配列内の少なくとも1つの要素が指定された条件を満たすかどうかをテストします。
- sort(compareFunction) : 配列の要素をソートします。デフォルトでは、文字列としてソートされますが、オプションでソート関数を提供できます。
- splice(start, deleteCount, item1, item2, …, itemN) : 配列の要素を削除、置換、または追加します。
- toLocaleString() : 配列内のすべての要素を地域化された文字列に変換します。
- toString() : 配列を文字列に変換します。
- unshift(element1, element2, …, elementN) : 配列の先頭に1つ以上の要素を追加し、新しい配列の長さを返します。
- values() : 配列の各インデックスの値を持つ新しい Array Iterator オブジェクトを返します。
その他
JavaScriptには、以下のようなグローバルオブジェクトやメソッドもあります。
- Object : JavaScriptオブジェクトを作成および操作するための組み込みコンストラクタ関数。
- Number : 数値オブジェクトを作成するための組み込みコンストラクタ関数。
- String : 文字列オブジェクトを作成するための組み込みコンストラクタ関数。
- Boolean : 真偽値オブジェクトを作成するための組み込みコンストラクタ関数。
- Function : 関数オブジェクトを作成するための組み込みコンストラクタ関数。
- Array : 配列オブジェクトを作成するための組み込みコンストラクタ関数。
- RegExp : 正規表現オブジェクトを作成するための組み込みコンストラクタ関数。
- Date : 日付オブジェクトを作成するための組み込みコンストラクタ関数。
- Math : 数学的な演算を行うための組み込みオブジェクト。
- JSON : JSONデータを解析およびシリアル化するためのメソッドを提供する組み込みオブジェクト。
これらの関数はJavaScriptの標準ライブラリに含まれており、プログラミングにおいて頻繁に使用されます。ただし、いくつかの関数は古いものであり、最近のJavaScriptのバージョンでは使用を避けることが推奨される場合があります。また、JavaScriptにはさらに多くの組み込み関数やオブジェクトがありますが、ここで紹介したものは基本的なものです。