前回は外部要素(今回の分析対象外)から順にデータフローを書くというお話でしたが、今回は、書き出したデータフローとプロセスの命名についてのお話です。
データフローダイヤグラムを記述する上で、肝心なところになりますので、よくお読みいただいて理解していただきたいところです。
データフローの命名について
DFDを書くうえで一番重要なのがデータフローの名前の付け方です。データフロー名の付け方によってDFDの分かりやすさはかなり違ってきます。ここが一番肝心かなめのところですから手を抜かないようにしてください。
- すべてのデータフローに名前をつけること。名前をつけにくいからと言って「○○データ」や「××情報」という中身のない名前にしてはいけません。そういう場合はデータフローの分割が足りていません。
- データフロー名は主要な構成要素だけではなく全体を示す名前にしてください。
- ひとまとめに扱えない項目を一つのデータフローにまとめないでください。かならず分割すること。
名前を付けられないデータフローは、全体をもう一度見直して分割しなおすと良いかもしれません。
プロセスの命名について
プロセスに名前を付ける段階ではデータフローのすべてに名前が付いてなければいけません。はじめにプロセスに名前を付けたいかもしれませんが、ぐっと我慢をしてください。
プロセスに最後に名前を付けるのは、データフローを正しく書くために必要です。下の図を見てください。「1.プロセス0」の名前は「入庫製品を仕分ける」とか「製品の受け入れ」などのプロセス名を想像できると思いますが、「2.在庫品を仕分ける」につながるデータ0~データ2に名前を付けることはできません。

プロセスに先に名前を付けてしまうと、DFDを書けてしまった気になって肝心のデータフローがおろそかになったり、分析が足らなかったりしますので、注意してください。
- データフローとの関係を的確に表す名前を付けてください。
- ひとつの動詞と目的語からなる名前を付けてください。「在庫を数えて払い出す」のような名前は分割不足な可能性があります。
- 中身のない名前にならないようにしてください。”処理する”などという言葉は意味を持ちません。
- 上記のルールに従ってもうまく名前が付けられない場合は、分割が足りないのかもしれません。
とにかくどんどん書き直す
一度書いて出来上がったDFDが完璧なことはあり得ないと思ってください。何度も見直すとおかしいところが見えてきます。最初から書き直すことも有りです。書き直してより良いものに仕上げていってください。
DFDを書くためのツール
エクセルの図形で描いてもいいのですが、それでは書き直しが面倒になってきて、かなり出来の悪いDFDしか書けないと思いますのであまりおすすめできません。それよりは手書きの方がマシだし、それともVISIOでも良いです。VISIOの場合はProfessional版でデータフロー図に対応しています。 個人的にいちばんおすすめなのが astah* professional というソフトウェアです。

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書籍の紹介
しっかりと学習したい方は、この書籍をお読みになる事をお勧めします。
この記事で紹介しているDFDについては、考案者のトム・デマルコが書いた、「構造化分析とシステム仕様」という書籍の中で詳細な解説がされています。