ECMAScriptは、Webブラウザで動作するスクリプト言語の一種であり、JavaScriptの標準化規格のことを指します。
ECMA Internationalという標準化団体が制定したもので、最初に標準化されたのは1997年でした。以降、ECMAScriptのバージョンアップが行われ、現在はECMAScript 2021が最新のバージョンです。
ECMAScriptは、Webブラウザでの動作だけでなく、Node.jsなどのサーバーサイドでも利用されています。JavaScriptと同じく、動的なWebページやWebアプリケーションの作成に利用されます。
ECMAScriptの機能は、変数、関数、オブジェクト、配列、条件分岐、ループ、DOM操作、非同期処理など、広範囲にわたります。また、ECMAScript 6以降では、クラスやアロー関数、let/constキーワード、スプレッド構文、テンプレートリテラル、Promise、async/await構文など、便利な新機能が追加されています。
ECMA Script 6
ECMAScript 6 (ES6)は、2015年にリリースされたECMAScriptのバージョンのひとつであり、ECMAScript 2015とも呼ばれます。ES6では、JavaScriptの新しい機能が追加され、開発者がコードを書く際の生産性が向上しました。
ES6で追加された主な機能には、以下のようなものがあります。
- let/constキーワード:変数宣言に使用されるletとconstキーワードが追加されました。これにより、より明確で安全なコードが書けるようになりました。
- アロー関数:=>記法によってアロー関数が導入されました。これにより、関数をより簡潔に書けるようになりました。
- クラス:クラス構文が導入され、オブジェクト指向プログラミングがより簡単になりました。
- スプレッド構文:配列やオブジェクトを展開するためのスプレッド構文が導入され、コードの可読性と保守性が向上しました。
- Promise:非同期処理の制御をより直感的に行えるようにPromise構文が追加されました。
他にも、テンプレートリテラルやデフォルト引数、ジェネレータ関数など、便利な新機能が多数追加されました。ES6の機能は、徐々にWebブラウザーやNode.jsなどでサポートされるようになり、現在ではJavaScript開発に欠かせないものとなっています。
ECMAScript 5 (ES5)
ECMAScript 6以前のバージョンは、ECMAScript 5 (ES5)と呼ばれています。ES5は2009年にリリースされ、当時のWebブラウザで広くサポートされていたバージョンであり、JavaScriptの標準的な機能を定義しています。
ES5で追加された主な機能には、以下のようなものがあります。
- JSON:JavaScript Object Notation (JSON) 形式が標準仕様として定義され、データのやり取りがより簡単になりました。
- Strictモード:コードの実行モードとしてStrictモードが追加され、コードの品質向上やセキュリティ対策が行いやすくなりました。
- 配列の拡張メソッド:配列に対して様々なメソッドが追加され、配列の操作がより簡単になりました。
- Function.prototype.bind:Functionオブジェクトにbindメソッドが追加され、thisキーワードの振る舞いが改善されました。
ES5以前のバージョンでは、変数宣言にvarキーワードが使用され、オブジェクト指向プログラミングに対するサポートが不十分でした。しかし、ES5における配列の拡張メソッドやFunction.prototype.bindなどの機能の追加により、開発者がコードを書く際の生産性が向上しました。
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