PMBOK 6版 PMP試験を受験して、2回目で合格しました。

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業務上で必要になったため、PMIが主催している国際的な資格である、PMPを受験することになりました。

PMPは思ったよりも難易度の高い試験で、ほんのちょっと勉強しただけでは合格するのが難しいと思われます。

私は、2回目でやっと合格することができました。

今後、受験される方に向けて参考にしていただければと思い、自分の知りうる受験についての情報と経験とをご紹介したいと思います。

目次

PMP試験の難易度

PMP試験を受けるための前提条件としては、以下のようなハードルがあり、まずはこれらをクリアする必要があります。

  • PMI認定の研修を35時間受講する必要がある
    • 個人で受講するには金銭的に高額になってしまいます。
  • 最終学歴に応じたプロジェクト経験時間の証明が必要である
    • 大卒で36ヶ月以上かつ4500時間以上の実務経験
    • 高卒で60ヶ月以上かつ7500時間以上の実務経験
    • それぞれ8年以内の経験であることと、その業務経験を保証する上司、または同僚の登録が必要
    • また、受験申請時にランダムで選ばれる”audit”に指定されると、上記の詳細な証明に加え、大学の英語による卒業証明などを郵送する必要がある。
  • 受験手続はすべて英語である
    • PMIへの登録、 上記プロジェクト経験の申請、受験申し込み手続き、など、すべて英語で手続きをする必要がある。
  • 受験費用が高額である
    • PMI非会員の場合は555ドル(日本円110円換算で¥61050円)です。個人では一か八かで負担するには厳しい金額です。
  • 日本での試験は東京または大阪でのみ受験することができます。地方にお住まいの場合は試験会場までの交通費も負担になってきます。

これらのハードルをクリアして、やっと試験を受けることができます。

試験問題の難易度は、非常に高いと思って良いと思います。

ただし、上記の条件にあるプロジェクト経験がしっかりとある方であれば、それほど難しい試験内容ではないとも思えるかも知れません。

試験問題は全部で200問あり、それを4時間以内に回答します。

200問のうち、25問は得点にカウントされない問題となっており、残りの175問中、106問以上が正解することが合格スレスレのラインとなっているようです。
※2019.03. 時点

受験資格

以下に、受験資格をまとめます。ご自分がどの要件に合っているかをきちんと確認します。

  • プロジェクトマネジメントを指揮する立場での経験があること
  • PMIの認定した研修機関で35時間以上の研修を受講していること
  • (高卒)申し込み時点で、5プロセスにおいて、7500時間以上の経験を有すること
  • (高卒)申し込み時点で、8年以内に5年以上のプロジェクトマネジメント経験を有すること
  • (大卒)学士号を取得していること
  • (大卒) 申し込み時点で、5プロセスにおいて、4500時間以上の経験を有すること
  • (大卒)申し込み時点で、8年以内に3年以上のプロジェクトマネジメント経験を有すること

受験手続

まずは、PMIのサイトに行き、ユーザ登録(無料)するところから始めます。

サイトの右上辺りにある[Register] をクリックして、自分の情報を英語で登録していきます。

自分の情報を登録し終わったら、certifications にある、Apply for PMP Credential から受験の申し込みを始めます。

受験申請のためには、あらかじめ受験資格であるプロジェクトマネジメント経験をまとめて整理しておいたものを入力します。

プロジェクトの概要は550文字の英文で入力する必要がありますが、こちらは、PMBOKで用いられるドキュメント類やツールと技法などを単語として使うと説明しやすいと思います。

過度にたくさんのプロジェクトを入力すると、入力に時間が掛かってしまいますし、読むほうも大変になってしまうので、ある程度サマリーしても良いのかも知れません。

さて、受験申請が終わると、最後に画面が切り替わって、”audit”に選ばれなければ、しばらくすると、PMIから受験可能だから支払いに進むようにというような英語のメールが届きます。

“audit”に選ばれた方は、証明書の書類送付方法などの説明があるようです。
(私は選ばれませんでした。)

めでたく受験可能になれば、受験料を支払って受験の予約をします。

注意点として、
(1)PMP試験の申請をした後、1年以内に合格しなければもう一度申請からやり直しになる。
(2)受験できる回数は一年以内に3回まで。
がありますので、気を付けましょう。

受験勉強 (1回目)

PMI公式研修を5日間連続で受講しました。この間は完全に仕事の事は忘れて、勉強に没頭しました。教科書はこちらのPMPパーフェクトマスターPMBOK第6版対応のみです。

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このテキストをしっかりと読み込み、大阪の受験会場へ行く途中の新幹線では、EVMの公式や定額インセンティブの計算式などを記憶して、試験に臨みました。

このとき、はっきり言ってPMP試験をナメていました。それは、今までの経験と勘で解けるだろうという、根拠の無い自信でした。

受験(1回目)

試験会場は、セキュリティが非常に厳しく、ポケットの中は空にして入室する必要があります。

着ている服以外は持ち込み禁止だと思っておいて間違いありません。

花粉症のためマスクをしていきましたが、マスクは着用可能ですが試験中に外したり机の上におくこともできませんでした。

さて、試験はパーティションで区切られた個別の席で、パソコンの画面に表示される問題を、マウスでクリックして選択して回答していきます。

すべて、4択からひとつ選択する問題となっていて、これを4時間以内に200問回答していきます。

自分の正直な感想では、わりと簡単に問題に解答できて、”おっ!一発合格するんじゃないか?”と思うほど、すらすらと回答できていきます。

それでも、慎重に慎重を重ね、4時間目いっぱい時間を使って試験を終えました。

最後にアンケートが表示されますが、それが終わるとすぐに試験結果が表示されます。

このときの試験結果は”Fail”でした。つまり不合格です。

自分がどのくらいのところで不合格だったのか、以下の四段階のレベルが図で表現されています。

[Needs Improvement] [Below Target] [Target] [Above Target]

このうち、 [Needs Improvement] [Below Target] は不合格、
[Target] [Above Target] が合格となります。

私はこのとき、 [Below Target]の真ん中あたりに位置していました。

受験勉強(2回目)

だらしがない結果で終わってしまった1回目でしたが、試験結果を分析したレポートをPMIのサイトで確認することができます。

レポートを確認したところ、私は「立ち上げ」「実行」「終結」が弱いということがわかりました。

そこで、2回目の試験は一ヵ月後の月曜日に設定して、再チャレンジすることにします。

試験に向けて、パーフェクトマスターの該当箇所を何度も読み込むのと、”プチまな”というオンライン問題集を提供しているサイトのPMP合格編をやりました。

PMPの試験は状況問題が多く出題されますので、回答に慣れるためにも、暗記することも然ることながら、

”模擬問題をたくさん解くことが合格への近道”

と信じて学習を進める事が重要です。

月曜日に試験を設定したので、直前の金曜日は会社を休み、金・土・日で問題集700問くらいをこなし、教科書をしっかりと読み込みました。さらに、ITTO表や、49あるプロセスの定義も記憶するようにしました。

模擬問題を解く中で感じたのは、出題されている場面がどのプロセスで、インプット、アウトプットが何で、使用するツールと技法が何か?を問われる問題が多く出題されていたと思います。

これらを集中的に暗記するのは効果があると思いました。また、EVMなどの計算問題も必ず出るはずなので、計算方法を暗記しました。

受験(2回目)

前回の屈辱を胸に、”必ずや合格してやる。3回目は自分には無い、今回ダメならもうやらない!”という強い気持ちをもって挑みました。

前回の試験で覚えたもののうろ覚えになってしまっていたEVMなどの計算式に関しては、行きの電車の中で暗記して、試験が始まるとともに、計算用に渡される紙にサラサラと書いておきました。(これが良かった)

問題はしっかりと読み、確実に回答していきます。心なしか、前回よりも4択を選ぶときに迷いが無かったように思います。

ですが、結果が出てみなければ分かりません。

最後のENDボタンを押した後、黒い文字の画面が表示され、自分が合格なのか不合格なのか、一瞬では分からず、冒頭に表示されている”Congratulations”の文字で、なんとなく合格?っというようなハッキリとした実感が無いままの合格でした。

合格後

試験後に、A4一枚の記録紙だけが手渡され、PMIのウェブサイトにアクセスしても、合格の表示は無く、前回の不合格表示が続いていました。

そして、3日後くらいになってやっと、合格の通知メールと、ウェブサイトへの合格表示がされました。数日間は紙だけが頼りなので、少々不安になってしまいました。

まとめ

当初、PMP受験をしようと決めたときは、こんな言い方をすると、真剣にがんばっている人には失礼ですが、「まあ受かればラッキー」というくらいでナメていましたが、2回目の試験では”必ず合格してやる!”と強い意志で挑むことになりました。

社会人になってから30年くらいたちますが、一番集中的に勉強したのではないかと思えるくらいです。

覚えることは沢山ありますし、英語というハードルもありましたが、結果的にこの受験は自分にとって大変有意義なものでした。

いままで経験と勘だけに頼っていた仕事の進め方も、PMBOKの体系化された知識に照らし合わせて見直すことによって、新たな気づきも沢山ありました。

たいへんではありますが、PMの仕事をしている方は、ぜひとも取得していただきたい資格だと思います。

私のしょぼい体験記でしたが、PMP受験の参考にしていただければ幸いです。

なお、PMPの教科書はこちらの一冊だけで十分でした。

他の教科書を買う必要はありません。

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以上「PMBOK 6版 PMP試験を受験して、2回目で合格しました。」でした。

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